接地を自在に使い分ける

(ポイント)
以下のような用語が問われるだけでなく、計算問題で必要な等価回路にも影響をあたえる事柄です。抵抗接地や消弧リアクトル接地が登場したら、等価回路に抵抗やリアクトルを加えるのを忘れないようにして下さい。

5-2 電力 送配電線 POINT02

■ 直接接地方式
・ 中性点を直接接地する方式です。
・ [長所] 地絡事故時の健全相の電位上昇が最も小さい方式です。
    (わが国では、187 [kV] 以上の超高圧系統に広く採用されています。)
・ [短所] 地絡電流が制御できないので、大きな電流が流れます。

■ 非接地方式
・ [長所] 接地されておらず地絡電流が小さいので、通信線の誘導障害も小さくなります。
・ 地絡電流の抑制効果の大きさを活かし、わが国では、一般の需要家に供給する 6.6 [kV] 配電系統 (高圧配電系統) においてこの方式が広く採用されています。
(補足) 高圧配電線路について
多くの場合、配電用変電所の変圧器の2次側の Δ結線 から 3線で引き出され、非接地の構造がとられます。
・ [短所] 接地されていないので、1線地絡時の健全相電圧上昇倍率は大きくなります。
・ 地絡電流に対し、短絡電流は接地方式と無関係なので抑制できません。

■ 抵抗接地方式
・ 中性点を抵抗で大地に接地する方式です。
・ 直接接地方式と非接地方式の中間的な性質を持ちます。
・ 中性点抵抗により地絡電流を抑制して、地絡時の通信線への誘導電圧抑制に大きな効果があります。 しかし、地絡リレーの検出機能が低下するため、何らかの対策を必要とする場合もあります。
・ わが国では主として 154 [kV] 以下の送電系統に採用されています。

■ 消弧リアクトル接地方式
・ 中性点をリアクトルで大地に接地する方式です。
・ リアクトルと送電線の対地静電容量とで共振させ、地絡電流が極めて小さい為、通信線の誘導障害も小さくなります。
・ 地絡電流がほとんど零に抑制される為、遮断器によらなくても地絡故障が自然消滅しますが、調整が煩雑なため、この方式の採用は多くありません。

■ 補足
各接地方式を、1線地絡時の地絡電流値が小さい順に並べると、以下のようになります。
(地絡電流「小」) 消弧リアクトル接地→非接地→抵抗接地→直接接地 (地絡電流「大」)


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